飛び降りないで。

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 今日も先輩は屋上にいる。お弁当を食べに来ているんだったらいいんだけど、そうではない。お弁当を食べるのに、金網の外側に出る必要はないからだ。
 そんな先輩に、今日も俺は声をかける。

「先輩。屋上で何してるんですか?また、自殺の予行練習ですか」

 彼女はいじめられているわけではないというの学校側の意見。
 だが、本当にそうなのかは彼女のみが知るのだろう。

「ま、俺には関係ないけど、自殺者出ると学校休みになっちまうんで…」

 そう言葉をかけつつ、俺は近づいていく。そして、金網を掴み手に自分の手を添えて。

「ああもう、はっきり言えば飛び降りるなって言いたいんだ」

 そう言って、添えられた手は、彼女の手を掴んだ。
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公開:19/05/03 12:00

バルバルサン( 様々です )

小説家になろうから、twitterまで様々な場所に出没。
短い文章にも挑戦してみます。
よろしくお願いします。

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