雨夜

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嘘みたいなこの夜ごと消し去ってくれればいいのに。

そんな戯れたことを思いながら、わたしの手を引くあなたの背を見つめる。

じっとりと濡れた身体は、雨の所為か汗の所為か。

頭から垂れる手ぬぐいを寄せて、歪む口許を隠す。

たぶん次にあなたが振り向いたら、そのときはわたし、もう我慢できなくなってしまうわ。
恋愛
公開:19/05/03 07:25

きざはしと同一人物。
140字小説を書きます。

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