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「こんなものを売るようになっては貴様も終わりだな」
いつものように私の絵画コレクションにケチを付ける画商がやってきた。
「こんな不気味な絵が売れるわけがない」
「これは人か?モヤシかと思ったぞ」
「見ているだけで吐き気がする」
画商は周りに聞こえるよう大声で喚き立て、私から絵を二束三文で買って行く。いつものやり方だ。

いつもなら私も悪態を吐きたいところだが今日に限っては画商に感謝している。
私はあの絵を早くに手離したかった。
画商の言う通りあの絵は不気味だ。最初、ただの風景画であったはずなのにある日そこに一人の男が現れた。
襤褸を纏った細く白い顔の男。そいつは日に日にこちらに近づいてくる。
それに気付いた時、私も毎日吐き気に襲われた。
木の洞のような暗い目に魂を吸われている錯覚さえした。
やっとあの恐怖から解放される…私は安堵した。

1週間後。画商が自殺したと噂で聞いた。
やっぱりな…
ホラー
公開:19/04/30 19:04

魔法動物フィジカルパンダ

元・パンスト和尚。
7月9日、試しにペンネーム変更。気分転換を図る。

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