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「上を見たら上と下の歯に隙間があく人ってヤバいらしいよ。やってみなよ」
「何が、ヤバいんだ?」
「へへ。確率が100倍になって、先天的なんだって。僕は平気。でも開いちゃう人って絶対なんだってさ」
俺は歯をくいしばって空を見てみた。すると、上下の前歯に隙間が開くのを感じた。
「あっ開いたねっ! まっずいなぁ~それ。医者も匙を投げてたもんね」
こいつイライラする。
「だから何がマズいんだよ」
「へへ。全てに影響するんだぜ。大切なのは、ストレスを溜めないことだよ」
「ストレスはお前だっ!」ボカスカ。バタン。キャー。ピーポーピーポー。
取調室で俺は頭を抱えていた。
すると刑事が付箋みたいなものを取り出した。
「それ、何ですか?」
「咬筋力簡易測定シートだよ。ストレスに対して暴力的になりやすい遺伝子をもってるかどうかが分かるんだ。これ咬んで上向いて」
付箋は歯の間をスルリと抜けていった。
「何が、ヤバいんだ?」
「へへ。確率が100倍になって、先天的なんだって。僕は平気。でも開いちゃう人って絶対なんだってさ」
俺は歯をくいしばって空を見てみた。すると、上下の前歯に隙間が開くのを感じた。
「あっ開いたねっ! まっずいなぁ~それ。医者も匙を投げてたもんね」
こいつイライラする。
「だから何がマズいんだよ」
「へへ。全てに影響するんだぜ。大切なのは、ストレスを溜めないことだよ」
「ストレスはお前だっ!」ボカスカ。バタン。キャー。ピーポーピーポー。
取調室で俺は頭を抱えていた。
すると刑事が付箋みたいなものを取り出した。
「それ、何ですか?」
「咬筋力簡易測定シートだよ。ストレスに対して暴力的になりやすい遺伝子をもってるかどうかが分かるんだ。これ咬んで上向いて」
付箋は歯の間をスルリと抜けていった。
その他
公開:19/04/30 12:46
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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