オレ、桃太郎
26
16
おばあさんは川から取ってきた大きな桃を前に悩んでいた。包丁で桃が切れないのだ。すると桃の中から声が聞こえてきた。
「ぼくだよ」
聞き覚えがなかったが、桃の声は続けた。
「本当は生まれるはずだった息子だよ」
どうやらこの家に生まれる予定だったが、神様が間違えて桃の中に自分を入れてしまったんだ、と言う。この年まで子宝に恵まれなかったおばあさんは半信半疑で桃の声を聞いていた。しかし
「信じてよ、お母さん」
その言葉で桃を信じる事にした。
「でもぼくが産まれたら困っちゃうかな?お金とか足りる?」
おばあさんはいつか産まれる子供のためにお金を井戸の脇に貯めているから心配しないで産まれておいでと告げた。
「嬉しいな。お父さんにも会いたいから呼んできて欲しいな。お母さん」
おばあさんは芝刈り中のおじいさんを呼びに行った。二人は初めての息子に早く会いたいと家に戻ると、大きな桃は影も形もなくなっていた。
「ぼくだよ」
聞き覚えがなかったが、桃の声は続けた。
「本当は生まれるはずだった息子だよ」
どうやらこの家に生まれる予定だったが、神様が間違えて桃の中に自分を入れてしまったんだ、と言う。この年まで子宝に恵まれなかったおばあさんは半信半疑で桃の声を聞いていた。しかし
「信じてよ、お母さん」
その言葉で桃を信じる事にした。
「でもぼくが産まれたら困っちゃうかな?お金とか足りる?」
おばあさんはいつか産まれる子供のためにお金を井戸の脇に貯めているから心配しないで産まれておいでと告げた。
「嬉しいな。お父さんにも会いたいから呼んできて欲しいな。お母さん」
おばあさんは芝刈り中のおじいさんを呼びに行った。二人は初めての息子に早く会いたいと家に戻ると、大きな桃は影も形もなくなっていた。
その他
公開:19/05/01 13:46
詐欺イクナイ
桃太郎祭り
たらはかに
https://twitter.com/tarahakani
猫ショートショート入選 「猫いちご ・練乳味」
渋谷ショートショート入選 「スク・ラブラブ・ランブル交差点(哀)」とか。
ログインするとコメントを投稿できます