鱗の残痕

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空に私は舞い、一片の鱗も舞う。

私の息の根は止まり、朽ちた。
そして私は蒼い群青色に染まった、空、いや空間にいる。
ここは何もない。私は何も聞こえない澱んだ中に、ただいる…

ーー記憶を辿る
臨終の時、踠き、身体がこれでもかと捻り、グニャと曲がり、野た打つ。眼球が蠢く。上と下、右と左に。

それを見た誰かの視線は冷ややかに私を刺す。救いは無い。
なぜなら、
目を背ける異端。
慈愛を踏み躙るような私の姿。

私への嫌悪の眼差しは、憐れむ目か?

そうか、私はイキモノではなく、モノなのか?
身体の隅々から黒い靄が深々と心を霞む。
私の黒い何かは、その残像を私の朽ちた場に蔓延させる。
私は傍らで凝視し、穢れるよう強く祈った。
それは呪いと恐れられ、多くの者が私の為に祈り、祈りは強い念となり、いつしか私の朽ちた場は聖地、私は神と崇めた。

蛭児は恵比寿に

一片の鱗は神楽の巫女の冠になり、舞う。
ミステリー・推理
公開:19/05/01 09:09
HIRUKO インスパイア 畏怖 古事記 日本書紀 蛭子神 ヒルコとえびす 舞踊と神楽

さささ ゆゆ( 東京 )

最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。

「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。

なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。

でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。


Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2





 

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