家の幽霊

6
5

「引っ越したと聞いて来てみれば…何この家?」
「家の幽霊だよ!」
体育の授業で使うようなマットが敷き詰められた空き地の数十メートル上、宙に浮く家を示し友人は笑った。
長い梯子を登ってたどり着いた家の中は、何の変哲もなく普通だった。
椅子に座り、友人の話を聞いた。
「取り壊された家が幽霊になって、建ってた土地に現れることがあるんだよ。そういう家は殺人事件なんかが起こったところなんだ。
住人に幸せに過ごしてもらえなかった無念から幽霊になるんだけど、誰かに住んでもらうと成仏できるんだってさ」
「そうなんだ…成仏ってどんな感じなの?」
言い終わる直前、家が消えた。空気椅子体勢のまま落下する私達。
「こんな感じ」
「冷静に言うなあああああ!」
「マット敷いてあるから死にゃしないよ。死ぬほど痛いだろうけど」
「死ぬほど痛いんじゃないかよ!あああああ!」
為す術なくマットに叩きつけられる私達だった。
ファンタジー
公開:19/04/30 00:05
家の幽霊 事故物件

PURIN

超ド級の素人です。他サイト様でも書かせていただいています。
Twitter @maybePURIN

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容