プラスチック容器の

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プラスチック容器はふたを外して潰(つぶ)し、資源ごみとして出すのが決まりだ。
が、潰してもすぐ元に戻る容器があった。
相手は所詮、人間ではない。私は安心してそれを踏み潰した。脚を高く振り上げ、息が切れるまで何度も何度も、渾身の力を込めてプレスする。厭なことがあると回数も倍増。
ようやく元の形に戻らなくなるとそれを捨てた。
けれども、捨てたはずの容器が枕元やデート先に現れた。人間で言えばみぞおちの辺りが凹んで顔も歪めているみたいだ。
「怖い顔。これが気になるの?」
恋人が不思議そうにそれを専用ごみ箱に捨てた。妄想でないのが余計ショックだった。

その頃から体が痛み、鉛になったように重く感じられることが増えた。私は病院で血液検査を受けた。
「サイボーグ化の手術を受けましたか?」
否定すると、医師は検査結果を前に首をひねった。
「変ですね。血液の中を普通にプラスチックの分子が流れていますよ」
ホラー
公開:19/04/29 19:25
更新:19/05/05 00:21

UKITABI

ショートショート初心者です。
作品をたくさん書けるようになりたいです。

「潮目が変わって」(プチコン 海:優秀作)
「七夕サプライズ」(七夕ショートショートコンテスト:入選)
「最高の福利厚生」(働きたい会社 ショートショートコンテスト:入選)
選出いただきました。

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