死因

今日も若者の遺体が運ばれてくる。私はそれを見て「またか」と呟いた。
ここ数年、若者の急死が社会現象となってる。自殺ではない。病死である。
若者は皆、ある病気にかかっていた。スマホ依存症である。
２４時間四六時中スマホを持っていないと気が休まらない。起きている間は勿論、寝ている時でさえスマホが気になってしょうがない。恐ろしい病気だ。
この病気、自覚症状がない者が多いことが問題である。
そもそもスマホ依存症のラインをどこに定めるか、それもまだ協議中なのである。
老人共が侃々諤々と意味のない会議を続ける中、病気は蔓延し続ける。
病死した者はその顔を絶望に歪めている。そんなにも絶望することなのだろうか…
スマホ依存症が原因で亡くなる者は必ずこんなことを言う。

「スマホがないと死ぬ！」

言葉通り、スマホをなくした若者は死亡しやすい。
今日の犠牲者はスマホの電池が切れただけで亡くなったそうだ。