あやしい手袋

2
4

「ホンモンかねえ?」

俺は、飲み屋街の胡散臭いオヤジの露店で買った皮手袋を嵌めた手を眺めながら、ほろ酔い気分で家路についていた。

そのオヤジが言うには、嵌めた手で何かの物体に触れると、その物体が使用者にとってどの程度危険かを、数値化して教えてくれると言う。

数値は、無害危険無しのゼロから、命の保証なしの100まで。

「まあ、インチキもんだわなあ~」

と、千鳥足で歩く俺のスマホから突然の警報音


緊急地震速報。


間髪入れずに地面がグラグラ波打ち始めた。

足元おぼつかない俺は、その場にしゃがみ込み、両手で地面をしっかりと抑えて……

途端に手袋が微妙に震え、やがて手の甲に数字が!

100!

おいまさか!?と思うまもなく、地割れが起こり、足元が大きく口を開けた。

「ぎゃあぁぁぁ~!」

そして俺は裂け目の奥深くへと真っ逆さまに……



チッ!ホンモノだったかぁ
その他
公開:19/04/27 12:09
更新:19/07/08 06:56

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容