新・桃太郎

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「ついにたどり着いたぜ」
俺は刀を握りしめた。旅の途中で犬猿雉を仲間にして戦力は十分だ。しかも奴らは祭りの最中で酔っ払って油断している。

奇襲攻撃であっという間に俺たちは集団を制圧した。

さて、最後の仕上げだ。俺には使命があった。

「俺はお前たちを殺さない。ここにある金銀財宝は半分だけ取り返す。これで俺たちもお前たちも遺恨なしだ」

ポカンとする奴らを残して俺は目的地を後にした。帰る故郷は鬼ヶ島。

「桃太郎や、よくやってくれた」
出迎えた爺さんと婆さんの頭には角が生えている。俺は鬼ヶ島育ちの桃太郎。俺が生まれたとき、桃には一通の手紙が入っていた。

〜私はかつて鬼たちを倒して金銀財宝を人の手に取り戻した。だが争いだけでは解決しなかった。どうか君は憎しみの連鎖を断ち切っておくれ〜

桃太郎は憎しみによって生まれてくるらしい。願わくば、俺が最後の桃太郎であらんことを。
その他
公開:19/04/26 20:05
更新:19/04/26 23:40

よしお

400文字に収めるのに四苦八苦していますが、いろいろなジャンルにチャレンジしたいです。

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