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「私にいわせれば、脳だって腸だって同じよ。腸がうんちを作り出すなら、脳は空想をひりだすんだわ。そう。この老廃物こそが、私達の世界を創っている。だって、この世界は空想の現実化なんだものね。つまりはうんちってことよ。私達はそのうんちの中でぬくぬくと生きているようなものよ。だから、腸の状態が気分を左右するってのは当然なの。腸こそは第二の脳。いえむしろ第一の脳、というより、脳の方が第二の腸だと考えるほうが、進化論的には正しいとさえ、私は思っているの。「空想」と「糞」の音が似てる、なんて日本語にしか通用しない屁理屈は願い下げだけど。
食物から肉体に必要なものを取り出した滓がうんちなら、空想という排泄物を産み出す源は何? ブドウ糖? なら、世界はうんちの綿菓子だってことを証明してみせる。そのためなら、私は何にだって手を突っ込むわよ」
「だが、なぜ、君はそうするんだ?」
「ささやくのよ。私の直腸が…」
食物から肉体に必要なものを取り出した滓がうんちなら、空想という排泄物を産み出す源は何? ブドウ糖? なら、世界はうんちの綿菓子だってことを証明してみせる。そのためなら、私は何にだって手を突っ込むわよ」
「だが、なぜ、君はそうするんだ?」
「ささやくのよ。私の直腸が…」
SF
公開:19/04/27 22:49
更新:19/04/27 22:57
更新:19/04/27 22:57
undoodnu祭り
その電脳がハックしたい
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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