その心臓がバックしたい

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教室に入った瞬間、隣の席の島田さんにかけようと思っていた「おはよう」は喉の奥に引っ込んで行ってしまった。普段はふたつ結びの島田さんが、今日はポニーテールだった。

「おっ…」
「おはよう。どうしたの?」
「か…髪…」
島田さんは固まる僕を見てプッと吹き出した。
「やだー!髪型ちょっと変えたくらいでそんなにびっくりしないでよねー!」
ケラケラと笑いながら島田さんは僕の肩を叩いた。


ジリリリ…

目覚まし時計が鳴った。
僕は腕を伸ばして時計を止めた。心臓がバクバクしている。夢か。

教室に着くと、島田さんの髪はいつもと変わらないふたつ結びだった。

「島田さん、おはよう」
「おはよう」

島田さんの髪留めのクマと目が合い、夢に出てきたポニーテールの島田さんを思い出してしまった。

「どうしたの?」
「いや、なんでもない」

そうは言ったものの、僕の心臓はまたバクバクと動きを早めるのだった。
青春
公開:19/04/27 22:28
undoodnu祭り その電脳がハックしたい

ぱせりん( 千葉 )

北海道出身です。

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