そのメンボウがハックション

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最近、私の家に住人が増えた。この家の人間達の子供だ。
猫である私よりも小さく、簡単に勝てそうだった。
いつもゆりかごで寝ているか泣いているかしている。ママさんが近くにいないと、いつまでも泣き喚く。そんな時は私がゆりかごを揺らしてやる。赤ん坊とはなんとも手間がかかる生き物だ。ママさんはどこか抜けている所があるから、ちゃんと育てられるか心配だ。私が守ってやらなければ。

ある日。
ママさんが電話で誰かと話していた。
「鼻クソってどうやって取るの?」
見ると、赤ん坊の小さな鼻の中にゴミがくっついてる。
「わかった。メンボウで取り除くのね」
電話を切って、ママさんが台所から大きな棒を持ってきた。
そのメンボウは違うんじゃないか!?
大変だ!
このままでは赤ん坊の鼻が裂けてしまう!
私はゆりかごにジャンプすると、尻尾の毛先で赤ん坊の鼻をくすぐった。

っくしゅ。

可愛い音に乗せてゴミが吹き飛んだ。
その他
公開:19/04/27 19:00
更新:19/04/27 18:55
undoodnu祭り その電脳がハックしたい

のりてるぴか( ちばけん )

月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。

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