その令和がトックしたい

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令和になった瞬間、地球上にいなかった男。
そんな特別な存在になる方法を僕は知った。
試してみよう。

平成最後の日。
テレビでは、どの局もカウントダウン番組をやっていた。
僕は平成最後の瞬間にこの地球を旅立ち、令和となってすぐに帰ってくる。
ジャンプをするだけでいいんだ。
こんな簡単な方法で特別な存在になれるなんて。

テレビから流れるカウントダウン。

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「待って」
彼女が僕をつかんでジャンプの邪魔をした。
「なんで邪魔すんのさ」
彼女を見ると、涙目になっている。
「残してほしいの」
「うん?」
「キミとの、平成の思い出をそのまま令和に」
今にも泣きだしそうな彼女の唇を僕はふさいだ。
「令和最初のキスは君にあげるよ」

平成最後の瞬間にキスしていれば、もっと特別な存在になれたかなあ。
ちょっとだけ後悔しながらも、彼女の特別な存在でいられることを僕は嬉しく思う。
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公開:19/04/30 00:00
undoodnu祭り その電脳がハックしたい

undoodnu( カントー地方 )

構成の凝った作品が好きです。
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