213. 心優しい喪主

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博士は身寄りのない人たちが施設や家で亡くなったときにきちんとした葬儀があげられないと可哀想だと常々思っていたので、喪主になれるロボットを作りました。名前は清子。
精巧に作ったので清子には心がありました。

博士は清子を、喪主を勤められる人物として役所に登録しました。故人に心から寄り添う清子の存在は、直ぐに評判になりました。

ある時葬儀屋さんが、故人の好きだった「もしも、ピアノが弾けたなら」という曲を流しました。これを、清子は「喪主も、ピアノが弾けたなら」と聞き違いをしてしまいました。

清子はピアノが弾けなかったので、役に立たない自分を卑下し、哀しみのあまり初めてその場から逃げ出してしまいました。喪主としては落第です。
そして博士に、ピアノが弾けるようしてと頼みました。博士はその心が嬉しかったので、直ぐにそのように改良しました。

いま清子は、結婚式のピアニストとして大活躍しています。
その他
公開:19/04/25 09:00
更新:19/04/26 16:06
スクー 喪主、落第

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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