金のなる木

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儂は金のなる木を買った。こいつは紙幣や硬貨を葉や実のようにつける不思議な木。
高額ではあるがこれから先、何十年も金が手に入るのだと考えると安いものだ。

数年後。儂の金のなる木は価値のないコインばかりを実らせた。
仮想通貨だ。これでは収穫することも出来ん。
儂は庭師を呼び、こうなった原因を問いただした。
「こいつは根(値)が腐っているな。これでは枯れるのも時間の問題だ」
性根が腐っているお前にはお似合いさ。
そんな含みを持たせた庭師を儂はクビにした。

その庭師が育てていた金のなる木と言えば、皆で収穫物を分け合っていたためか見事な円(縁)が出来上がっている。
儂はその木を引き抜くと自分のものにした。これで円は儂のものだ!

数年後、金のなる木はジンバブエドルやソマリアドルばかりつけるようになった。何故だ。
「無理やり引っこ抜いたから根(値)崩れを起こしたんだよ」
新たな庭師に指摘された。
ファンタジー
公開:19/04/26 18:05

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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