内臓二十物語 第十七臓(睾丸)

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玉が転がってきた。それを迷路のような人体の入り口にセットする。
俺らの仕事は2つの玉を所定の位置にセットすることだ。玉を転がし、コースから落ちることなく袋に入れば男の子が完成だ。
集中力が続かないと意外に難しい。ミスをして1人の人間に3つセットしたこともある。
今年入ったばかりの新人は現世で砲丸投げのオリンピック選手だったハルク・コーガンで、彼はその実力を期待されていた。
「任しといてください!」
コーガンは爽やかに白い歯を見せた。自信満々に玉を手に取り投げる。1つ目、凄いスピードで人体の迷路を転がった。無謀だ。ヒヤヒヤしてこっちの肝っ玉が縮む。
急カーブで落ちそうになりながらも、無事に1つ目がセットされた。残り1つ。2つ揃わないと下界に送り出せない。
「しまった」
手が滑り、玉が下界に落ちていく。
「大丈夫です!」
コーガンは自分の袋から玉を取り出した。
「俺1ダースセットされてたんで」
その他
公開:19/04/25 23:44
内臓二十物語 第十七臓(睾丸) 原案そるとばたあ

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

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