内臓二十物語 第十四臓(尿管)

潜水艦ごと人をミクロ化し、体の中から治療に携わる、某映画のような話が現実となった。
今回の患者は尿管結石。石が尿管に詰まっているので砕かなければならない。全国から石砕き職人が集まり選抜された。潜水艦に乗り込みミクロサイズになった職人チームは、患者に飲み込まれ尿管に辿り着いた。岩が尿管を塞いでいる。
「でかいな」「管を傷つけないように気を付けろ」
職人たちはハンマーやドリルを取り出し、岩を砕いた。
「やったぞ！」
作業を完了し、再び潜水艦に乗り込む。尿道を通り尿とともに排出される仕組みだ。
「アドベンチャーゲームみたいで楽しかったな」
「ジェットスライダーみたいだ！」
ヒャッホー！！職人たちは滝のような尿とともに勢い良く排出され、雄叫びを上げた。

「Mさーん、大丈夫ですか。出てきましたかー？」
「はーい。あ、やべ。流しちゃった」
小さな潜水艦がゴーッという水流とともに、吸い込まれていった。