結婚のあいさつ
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「お義父さん娘さんを僕にくだちゃ」
今日は、彼と一緒に両親へ結婚の報告に行く日だ。
「お義父さん娘さんをびょくに……、ああ、緊張するな」
彼は道すがら何度も挨拶の練習をしている。
「うちのお父さん、すごく怖いから」
「やめろよ、余計に緊張するだろ。お義父さんみゅす、ああ駄目だ」
期待してるからね、未来の旦那さん。
「あ、あの、えっと」
むすっとしたしかめっ面の父を前に、彼はすっかり萎縮していまっている。
しっかりして。私は心の中で彼に声援を送る。
「あ、あの」
彼は大きく息を吸って、両手をついた。ついに言うのね。
「お義父さんを僕に下さい!」
え゛。
待て。途中思いっきり端折ってんぞ。気付けそして言い直せ。
「顔を上げたまえ」
父が相好を崩して彼に言った。心なしか頬を赤らめている。
「私でよければ」
「お義父さん……!」
「おい」
父の隣では、母がハンカチで頬を拭っていた。
今日は、彼と一緒に両親へ結婚の報告に行く日だ。
「お義父さん娘さんをびょくに……、ああ、緊張するな」
彼は道すがら何度も挨拶の練習をしている。
「うちのお父さん、すごく怖いから」
「やめろよ、余計に緊張するだろ。お義父さんみゅす、ああ駄目だ」
期待してるからね、未来の旦那さん。
「あ、あの、えっと」
むすっとしたしかめっ面の父を前に、彼はすっかり萎縮していまっている。
しっかりして。私は心の中で彼に声援を送る。
「あ、あの」
彼は大きく息を吸って、両手をついた。ついに言うのね。
「お義父さんを僕に下さい!」
え゛。
待て。途中思いっきり端折ってんぞ。気付けそして言い直せ。
「顔を上げたまえ」
父が相好を崩して彼に言った。心なしか頬を赤らめている。
「私でよければ」
「お義父さん……!」
「おい」
父の隣では、母がハンカチで頬を拭っていた。
その他
公開:19/04/22 18:32
更新:19/04/22 22:39
更新:19/04/22 22:39
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