誰も知らない怪談話
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新月の夜、山道を一台の車が走っていく。運転席の男が欠伸をした。
「やだ、眠らないでよ?」女は顔をしかめた後、悪戯っぽく言った。
「眠れないように怖い話でもしようか」
この辺りでは行方不明者がよくでるんだって。ある時Aって人が一人でこの辺りを車で走ってるとね、隣に気配がしたんだって。Aさんは吃驚して助手席を見るでしょ。するとね、人が座ってるのよ。しかもその人には顔が無いの。溶けちゃったみたいに。それから、Aさんは行方不明。こうやって人がいなくなるのは、決まって新月の夜なんですって。
女が話し終わると、男はつまらなそうに唇を尖らせた。
「作り話じゃん」
「どうして?」
「見た奴みんな行方不明なんだろ?その化物のことを誰にも伝えられないだろ」
男は得意になって喋り、助手席の女をみた。
そして、凍りついた。
「どうして?私がいるじゃない」
男が何を見たのか、それから男の行方も、誰も知らない。
「やだ、眠らないでよ?」女は顔をしかめた後、悪戯っぽく言った。
「眠れないように怖い話でもしようか」
この辺りでは行方不明者がよくでるんだって。ある時Aって人が一人でこの辺りを車で走ってるとね、隣に気配がしたんだって。Aさんは吃驚して助手席を見るでしょ。するとね、人が座ってるのよ。しかもその人には顔が無いの。溶けちゃったみたいに。それから、Aさんは行方不明。こうやって人がいなくなるのは、決まって新月の夜なんですって。
女が話し終わると、男はつまらなそうに唇を尖らせた。
「作り話じゃん」
「どうして?」
「見た奴みんな行方不明なんだろ?その化物のことを誰にも伝えられないだろ」
男は得意になって喋り、助手席の女をみた。
そして、凍りついた。
「どうして?私がいるじゃない」
男が何を見たのか、それから男の行方も、誰も知らない。
ホラー
公開:19/04/22 17:22
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