愛と藍
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「さあ、どうぞ、こちらの席にお座りください。お客さんは、暖かい愛と冷たい藍のどちらがお好みですか?」
罪深きマスターは、目の前に座る若僧に尋ねた。
若僧は、マスターの顔色をいちいち伺うように、視線をばたつかせた。
「困った人ですね。直ぐに答えが出てこない。そうしている間に、すぐに春になってしまい、そして、いつもの桜のように、散ってしまいますよ。さあ、お客さん、お答えください」
マスターは、間引く若僧に、返答を要求した。
「私は、今のままがいい。答えはどこにもない」
「それは、愛は要らないと」
「愛に必要性はない。どうせ、愛は藍に溶け込むさ」
「雲のように?」
「いいや。偽りのように」
「それは利己的な考えですね。誰かの興味も全くそそらない」
「その通り。愛は独りよがりのところがある」
「いいや。それはただの偏見。本当は、愛が怖いのでは?」
罪深きマスターは、目の前に座る若僧に尋ねた。
若僧は、マスターの顔色をいちいち伺うように、視線をばたつかせた。
「困った人ですね。直ぐに答えが出てこない。そうしている間に、すぐに春になってしまい、そして、いつもの桜のように、散ってしまいますよ。さあ、お客さん、お答えください」
マスターは、間引く若僧に、返答を要求した。
「私は、今のままがいい。答えはどこにもない」
「それは、愛は要らないと」
「愛に必要性はない。どうせ、愛は藍に溶け込むさ」
「雲のように?」
「いいや。偽りのように」
「それは利己的な考えですね。誰かの興味も全くそそらない」
「その通り。愛は独りよがりのところがある」
「いいや。それはただの偏見。本当は、愛が怖いのでは?」
その他
公開:19/04/24 00:48
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