運命
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初デートって、こんなに緊張するものだったのか。会話が全然続かない。
「そこのお二人、占ってしんぜよう」
道端の占い師に声をかけられ、ふらふら近寄ったのは気づまりで彼女のそばから少し離れたかったからかもしれない。
占い師はじっと、僕らの顔を見ると、紙にさらさらと何か書いた。
「お代はけっこう。運命が見えたから、書かせてもらった。離れたところで見なさい」
たたんだ紙を渡され、お礼を言って、離れた。
角を曲がったとたん、「何て、書いてある?」と彼女が話しかけてきた。
紙を開くと、中には一言だけ書いてあった。
「一緒に笑う」
僕らはポカンと顔を見合わせて、それから、吹き出した。
「これが運命?」「でも、本当だ」
すっかり、緊張はとけていた。
一年後、僕らは結婚した。
きっと、一生、一緒に笑うだろう。
「そこのお二人、占ってしんぜよう」
道端の占い師に声をかけられ、ふらふら近寄ったのは気づまりで彼女のそばから少し離れたかったからかもしれない。
占い師はじっと、僕らの顔を見ると、紙にさらさらと何か書いた。
「お代はけっこう。運命が見えたから、書かせてもらった。離れたところで見なさい」
たたんだ紙を渡され、お礼を言って、離れた。
角を曲がったとたん、「何て、書いてある?」と彼女が話しかけてきた。
紙を開くと、中には一言だけ書いてあった。
「一緒に笑う」
僕らはポカンと顔を見合わせて、それから、吹き出した。
「これが運命?」「でも、本当だ」
すっかり、緊張はとけていた。
一年後、僕らは結婚した。
きっと、一生、一緒に笑うだろう。
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公開:19/04/23 21:24
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