優しく甘い貴方が好き

とあるスイーツショップで、私たちは話している。私の犯した過ちについて。
「貴方と出会って三年目になるわね。初めて貴方を見たとき、これは運命だと思った。その予想は間違ってなかったと今も思う。貴方はいつも、私の心を優しく包んでくれる、素朴で素敵な人」
「あの、」
「分かってる。私が勝手だった。貴方の気持ちも考えず、浮気をしてしまった……！ けど、仕方なかったの！」
「いや、」
「彼は」
「……」
「彼は……映えるの！インスタで！抜群に映えるの！ 色々カスタマイズできるし、バリエーションも豊富で。クリームも盛り盛りにできて！！ ……楽しくなってしまって、つい」
「……」
「けど、駄目。やっぱり貴方がいないと生きられない！」
私は、だから……と、前置きをする。

「貴方の優しい甘さに、もう一度甘えていいかしら」


「お客様、店頭のシュークリームに話しかけるのは、他のお客様のご迷惑になりますので」