帰り道の忘れ物

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来たるべき未来、ついに車は人の運転を必要としなくなった。運転手が運転席で行き先を入力すると車が自動運転してくれる。何とも便利な世の中になったものだ。
私もそんな車を買った一人だ。しかも私の車は最先端AIが導入されている。最先端AIは長時間乗車の際、時折トイレ休憩を挟んでくれる。これが非常にありがたい。
私達夫婦は長時間乗車の体のコリをほぐす為、車を降りて軽く体を動かした。そして軽食を取り、駐車場に戻る。
…そこにあるはずの車がなかった。油断していた。自動運転だからとうっかり鍵をさしたままにしてしまっていたのだ。
車が盗まれた!そう焦る私達のもとに一台の車が近寄ってきた。
その車、運転手がいなければ同乗者もいない。無人の車。私の車だった。
どうやらAIが大量に積まれた荷物を私達の重さと勘違いして、乗っていると錯覚し、帰路についてしまったようだ。
私達を迎えに来た車は若干申し訳なさそうだった。
SF
公開:19/04/23 18:55

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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