恋ドラ【平成最後の彼氏】

私は遠くを見ながら、出会った頃の二人を夕空に描いていた。

「楽しかったなぁ、あの頃は。平成も終わり……私たちも、終わるのかな」

やって来た彼が滲んで見える。

「ごめん。仕事が片付かなくて。仕事と私、どっちか大事なの！そう言いたいんだよね」

「バカにしないで！じゃあ答えてよ！」

「仕事が僕の大事な恋人なんだ」

「あっそう、もう…終わりね私たち」

「ああ、終わりだな俺たち」

「…そうね」

「だから、恋人はもう終わりだ」

「……は？」

「だから、僕のお嫁さんになってください！ぱせりん」

ショートショートを書いている私には予想できないドンデンだった。
私は彼の胸にオチた「…はい」

「幸せになろうな、俺たち」

「…うん」


そして、私たちは結婚式を挙げた。

「そうだ。大切な仲間に発表していい？」

彼が頷くと、私はスマホのキーを叩いた。

【結婚しました！（簡潔に）】