4
6

とあるホテルの一室で男の死体が発見された。
男は泡まみれの状態で発見され、死因は溺死と判断された。私は鑑識に確認を取る。
今回は愛に溺れたとか瞳に溺れたとかそんなトンチキな理由が死因ではないだろうな?
私の質問に鑑識は怪訝な顔を浮かべる。
「そんなもので人が死ぬわけないじゃないですか」
その反応にイラっとしたが今回こそはまともな捜査が出来ると私は胸を撫で下ろした。
「それにしても無理心中だなんて…女の怒りは買うものではないですね…」
鑑識の言葉に私は首をかしげる。無理心中?どういうことだ?
「見て分かりませんか?この泡、人魚姫のものです。この男性、人魚姫と浮気をしていたようです。
きっと男性が妻と別れる気がないと知り、その悲しみで人魚姫は泡になったのでしょう。その泡で男性を包み、道連れにして」
やはり今回もトンチキな死因だったか…
しかし人魚姫とな。それにしてもこの鑑識、今日も声がいいな…
ミステリー・推理
公開:19/04/20 18:34

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容