花火線香

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俺の爺さんはひねくれ者だ。花が嫌いで墓参りに花を決して供えない。
そんな爺さんは花の代わりに花火線香を持参する。
爺さんは若い頃、両親の反対を押し切り花火職人となった。
いつか自慢の花火で両親を驚かせてやろうと思っていたそうだ。
しかし爺さんの両親は事故で早くに亡くなった。
一人前の職人になった爺さんはこれまでにない花火を作ることにした。それがこの花火線香だ。
見た目はただの線香だが火をつけるとパチパチと火花が飛び散る。
「夜の墓場でもこれがあれば怖くない!」
そう言って笑う爺さんは罰当たりだと思う。
こんなもの他に誰が買うんだって思っていたが意外と需要はあった。
「祖母は花火が大好きで…」「夫は湿っぽいのが嫌いな人でね…」「妻と一緒に花火をやる約束をしていたんだ…」
爺さんの花火は意外と売れた。
「どうだ!俺は一花咲かせてやったぞ!」
先祖の墓に手を合わせる爺さんの顔はいつも嬉しそうだ。
公開:19/04/21 18:36

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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