勇者の決断

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「フフフ、予言通り男勇者と女勇者の二人がこの魔王を倒しに来たか。だが"勇者の剣”は一つ。どっちが私と戦うつもりだ」
「俺に決まってるだろ。君は女の身でよく頑張った。さあ剣を渡して」
「あなたこそ御苦労様。私が魔王を倒す!そしてめでたく王子と結婚する!」
「いや俺こそ凱旋して英雄になるんだ。さあ剣を放して!」
「いや私こそ玉の輿に乗るんだから!そっちこそ放してよ!」
「内輪揉めか、早く決めよ!」
「あーもうわかったよ!俺……」

「ケーキ入刀です!」
さっきのはファンファーレ…魔王を倒したのか…魔王って何だっけ?
「どうしたのよ?」
「いやデジャヴュかな、前に君とこうして刃物を握り合ってたような」
「ナイフを握り合ってたということ?あんたまさか別の女と!」
「いや、君とだよ…」
僕は別の世界に生きた前世の記憶を思い出したのだろう。代わりに彼女との結婚を決断した理由を忘れてしまったけれど……。
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公開:19/04/21 18:00
更新:19/04/22 00:19
遅ればせながら 結婚祭り おめでとうございます

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