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「私、好きな人ができた」
男っ気ゼロだった姉の口から衝撃的なセリフが飛び出した。
今まであまりにも男っ気がなかったものだから、てっきり男になんて興味ないのだと思っていた。
「でも振り向いてくれないのよ。どうしたら良い?」
弟である俺に聞かれても困る。でも、姉にとって良いことに変わりはない。俺は応援するぜ。

そんなある日の夜。
洗面所からキュイーン、という音が響いていた。そっと覗くと、姉が歯を削っているではないか。
「なにしてんだ?」
「見て。歯科技工用ドリル買ったの。どうしても尖らせたくてね」
「八重歯?」
「そう。ほら」
ニタッと笑った姉ちゃんの口から、鋭く尖った八重歯が見えた。
「そんなに尖らせてどうすんだよ?」
「そんなの決まってるじゃない。これで彼は私のものよ。うふふ。結婚式、霧立ち込める古城でしたいなぁ」
「噛む気だな?!」

こりゃあ、結婚どころか彼氏ができる日も、遠そうだ。
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公開:19/04/19 18:45
更新:19/04/20 18:08
結婚祭り 壬生ver.

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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