名前のないプレゼント
20
17
「あれ、これ何だろう?」
夫と結婚式のプレゼントを整理していたら、腕時計を見つけた。
「心当たり、ないよね」
「うん」
箱に入ったペアの時計には、メッセージカードが付いていた。
「幸せなお二人に贈ります」
名前はどこにも書いていない。
「試してみよう」
次の日から、時計をつけて出かけてみた。
私は仕事を終えて、家で夫の帰りを待っていた。
「早く帰ってこないかな」
会社を出ようとしていた夫の時計がブルっと震えた。文字盤には妻の顔が浮かぶ。
「早く帰ろう。待っていてくれるんだから」
いいことばかりじゃない。
昨日の夜は、ささいなことから大げんかになった。お互い、一言も口をきかずに家を出た。
お昼休みに時計が震えた。
文字盤には「ゴメン」と謝る夫の姿が映っている。
私も悪かった。
今日はケーキでも買って帰ろう。
夫と結婚式のプレゼントを整理していたら、腕時計を見つけた。
「心当たり、ないよね」
「うん」
箱に入ったペアの時計には、メッセージカードが付いていた。
「幸せなお二人に贈ります」
名前はどこにも書いていない。
「試してみよう」
次の日から、時計をつけて出かけてみた。
私は仕事を終えて、家で夫の帰りを待っていた。
「早く帰ってこないかな」
会社を出ようとしていた夫の時計がブルっと震えた。文字盤には妻の顔が浮かぶ。
「早く帰ろう。待っていてくれるんだから」
いいことばかりじゃない。
昨日の夜は、ささいなことから大げんかになった。お互い、一言も口をきかずに家を出た。
お昼休みに時計が震えた。
文字盤には「ゴメン」と謝る夫の姿が映っている。
私も悪かった。
今日はケーキでも買って帰ろう。
恋愛
公開:19/04/19 18:35
更新:19/04/19 18:41
更新:19/04/19 18:41
結婚祭り
短い物書き。
皆さんの「面白かったよ!」が何よりも励みになります。誰かの心に届く作品を書いていきたいです。
54字の物語・更新情報はTwitterでチェック! ぜひ遊びに来てください。
https://twitter.com/leyenda_rosa
ログインするとコメントを投稿できます