青い幻想、星の花
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祭壇花を挿す背中が、後ろ手を突き出した。
「悪ぃ、スターチス取って」
「ん」
青いスターチスを箱ごと渡す。片手で開けて流れる様に使う。昔は散々どやし付けたのが、いつの間にか追い越された。半分癪に障り、半分自慢な弟子だ。
超重量の壇花を、肩に担いですたすた歩く。力の差は否めないけど、呼び方も『先輩』から名前に変わり、実は結構悔しい。
「ほいパス」
「バケツ入れてよ」
余りを束で放られイラつく。スターチス。花より萼が鮮やかな葬儀の定番。長持ちで、ドライにしても色が残る。上に咲く小さな星は、知らない人が多い。
「これの花言葉知ってる?」
「馬鹿にしてんの?『永久不変』……」
真っ赤になった。作業場みんなニヤニヤしてる。
「……プロポーズなら、ブルーファンタジアとか」
「イベントじゃなくて、結婚て生活だぞ。俺は毎日見れる花が良い」
かくして、家に飾ったドライのスターチス。20年経って、まだ青い。
「悪ぃ、スターチス取って」
「ん」
青いスターチスを箱ごと渡す。片手で開けて流れる様に使う。昔は散々どやし付けたのが、いつの間にか追い越された。半分癪に障り、半分自慢な弟子だ。
超重量の壇花を、肩に担いですたすた歩く。力の差は否めないけど、呼び方も『先輩』から名前に変わり、実は結構悔しい。
「ほいパス」
「バケツ入れてよ」
余りを束で放られイラつく。スターチス。花より萼が鮮やかな葬儀の定番。長持ちで、ドライにしても色が残る。上に咲く小さな星は、知らない人が多い。
「これの花言葉知ってる?」
「馬鹿にしてんの?『永久不変』……」
真っ赤になった。作業場みんなニヤニヤしてる。
「……プロポーズなら、ブルーファンタジアとか」
「イベントじゃなくて、結婚て生活だぞ。俺は毎日見れる花が良い」
かくして、家に飾ったドライのスターチス。20年経って、まだ青い。
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公開:19/04/20 13:38
結婚祭り
※飛び入り(#^.^#)
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
https://amzn.to/32W8iRO
ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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