イタズラ

ぼく「あなた「声を奪われてしまったみたい。ぼく「きみだってぼくの声を乗っ取っているじゃないか。イタズラはこのくらいにして、僕の声を返してくれるかな。あなた「何言ってるの。このやりとりは「ぼく」から始まってるんだから、イタズラをしているのはあなたでしょ。ぼく「それは違う。最初に登場するのは確かにぼくだよ。でもこのやりとりはぼくがあなたに声を乗っ取られたところから始まっているんだから、元凶はあなただ。あなた「待ってよ。じゃあ何で2回目に出てきた「ぼく」はぼくの声をすんなり奪い返すことができているの？ 奪い方を知っているからこそだよね。ぼく「それは元々ぼくの声だからだ。裏の裏は表。そもそもあなたって誰だ？ ぼくはぼくだ。でも、ぼくに対するあなたは特定の人を指さない。一体きみは？ あなた「ごめん。ちょっとからかってみたかったんだ。ぼくは「ぼく」だよ。表裏一体さ」」」」」」」」