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その通りの入り口には「ホフ天実施中」という立て札があった。
「ホフ天?」
よく分からんが、とにかくこの通りを抜けないと、彼女の待つ喫茶店にはたどり着けないのだ。
俺は通りに進入すると、早足で歩き始めた。
「おい、そこの若いの!」
男の声がした。
地面には大勢の人々がうつ伏せになっていた。
「何だこれ?」
呆然としていると、先ほどの男が怒鳴った。
「早く伏せろッ!」
「え?」
「いいから早くッ!」
俺は地面に伏せて、男の元に近寄った。
「一体どういう事です?」
「馬鹿、今日は匍匐者天国の日だろ!」
匍匐⋯⋯。
確かによく見ると、人々は匍匐前進しながら前に進んでいた。
「這って進めっていうんですか?」
「そうだ!」
「馬鹿馬鹿しい!」
そう言って立ち上がった途端、頭にドンという衝撃を感じた。
「だから立つなと言ったのに⋯⋯」
という男の声のあとに、遠くの空でターンという銃声が聞こえた──。
「ホフ天?」
よく分からんが、とにかくこの通りを抜けないと、彼女の待つ喫茶店にはたどり着けないのだ。
俺は通りに進入すると、早足で歩き始めた。
「おい、そこの若いの!」
男の声がした。
地面には大勢の人々がうつ伏せになっていた。
「何だこれ?」
呆然としていると、先ほどの男が怒鳴った。
「早く伏せろッ!」
「え?」
「いいから早くッ!」
俺は地面に伏せて、男の元に近寄った。
「一体どういう事です?」
「馬鹿、今日は匍匐者天国の日だろ!」
匍匐⋯⋯。
確かによく見ると、人々は匍匐前進しながら前に進んでいた。
「這って進めっていうんですか?」
「そうだ!」
「馬鹿馬鹿しい!」
そう言って立ち上がった途端、頭にドンという衝撃を感じた。
「だから立つなと言ったのに⋯⋯」
という男の声のあとに、遠くの空でターンという銃声が聞こえた──。
SF
公開:19/04/18 01:18
更新:19/04/18 02:58
更新:19/04/18 02:58
(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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