黙想歌

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ひとり静かに片籠の、運べる合間に眠たしと
淡き朝路に忘れ草、軒偲ぶれど明かし屋根

揺りと揺らせり足引きの、村先行かば霧がまた
文目も分かぬぬばたまへ、茜射さじと景色消え

待つ身の悲し山吹きの、風は手枕、頬突きて
唾落つかや撫でし児よ、見るは露草、雲隠れ

想い朽ちなし林道の、菜の花畑、鬱金香
春は咲くらし母子草、南蛮煙管に青い夢

鈴生り実生り涼し絽の、鈴懸衣、仏の座
忍道求道も四つ辻や、冷えて我が身は墨蓮華

狭霧も晴れて藤袴、から立ち上る垣つ端
憂いの丈は譲り葉に、宿り着尽くし由も無し

砂々百瀬川岸に、朝顔去ねば午睡せん
別れの難き今日も暮れ、甘茶紫陽花、練行寺
ミステリー・推理
公開:19/04/17 21:02
木草花(古語込み六十五種)

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞

いつも本当にありがとうございます!

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