”まいったなぁ”
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「まいった。」
自分は将棋が好きだった。でも、下手の横好き。負けを認めるこの言葉が嫌いだった。
「まいった。」
自分は不器用だった。だから、些細なことで失敗した。失敗を後悔するこの言葉がずっと嫌いだった。
学校帰り、高校に宿題を忘れた事に気付く。「まいったなぁ。」すっかり口癖になった言葉を呟く。学校に戻りながらふと思う。何かにつけて愚鈍な自分は、この空みたいに灰色の青春を送るのだろう。そんな諦めとともに何かしらの変化を求めている。
宿題を解く。「まいったなぁ。」難しい。バカな自分が嫌になる。ほんの少しの変化を求め、いつもと違い図書館に行く。参考書を探していると、「まいったなぁ。」宿題の用紙をなくしてしまった。ため息をつく自分に掛けられる声。
「これ、落としましたよ。」後ろの声に振り返る。そこにはクラスの女の子。
まいったなぁ、顔が赤い。
初めて”この言葉”を好きになれそうだ。
自分は将棋が好きだった。でも、下手の横好き。負けを認めるこの言葉が嫌いだった。
「まいった。」
自分は不器用だった。だから、些細なことで失敗した。失敗を後悔するこの言葉がずっと嫌いだった。
学校帰り、高校に宿題を忘れた事に気付く。「まいったなぁ。」すっかり口癖になった言葉を呟く。学校に戻りながらふと思う。何かにつけて愚鈍な自分は、この空みたいに灰色の青春を送るのだろう。そんな諦めとともに何かしらの変化を求めている。
宿題を解く。「まいったなぁ。」難しい。バカな自分が嫌になる。ほんの少しの変化を求め、いつもと違い図書館に行く。参考書を探していると、「まいったなぁ。」宿題の用紙をなくしてしまった。ため息をつく自分に掛けられる声。
「これ、落としましたよ。」後ろの声に振り返る。そこにはクラスの女の子。
まいったなぁ、顔が赤い。
初めて”この言葉”を好きになれそうだ。
青春
公開:19/04/17 04:18
妖怪が好きな一般人。たぶん、山も落ちもない話を投稿する。プロフィール画像は石燕図の青坊主。
ノリと勢いで変な短編を書いては後悔する。
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