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ぴちゃん 。

その音に、はっ と、目が覚めた。
見えた景色に、ぼんやりと、息を吐く。
ゆるゆる と。
息も、声も、言葉も。
思いも考えも記憶すら、溶けていって。
まるで、角砂糖が溶けるみたいに、溶けて とけて。
重い目蓋を開けば、睫毛から滴が小さく音をたてた。
小さな言葉や思考がぐるぐる回って、やがてゆっくりと消えていった。

ぴちゃん、ぴちゃん、と。
落ちる水音は、雨のように軽やかに。
そうして海のように薄く、空を写したお湯に落ちて。

──今度の休みには、海にでも行こうか。
「……あぁでも」

海には行かずともここは立派な



「バスルーム・ブルー・アズール」
その他
公開:19/04/15 13:50

なばな


「色」を中心に、小さなお話書いてます。
テーマはいつもどこかに「恋」をすこし。
(Twitter:@na_bana7)
 

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