風船ガム

お菓子メーカーはガム部門に勤めている僕は今日も老若男女が楽しめる風船ガムの開発に勤しんでいる。
先日開発した「鼻提灯ガム」はいい線行った。
漫画みたく、鼻から風船のようにガムが膨らみ、狸寝入りに一役買うこと間違いなかった。
しかし問題が一つあった。
このガム、鼻で噛まなければ鼻提灯にはならない。
鼻でガムを噛むなど、僕以外中々できる芸当ではない。
却下。

次に開発したのは「イケメンガム」だ。
このガムを噛み、大きく膨らまし、破裂させる。
すると破裂したガムは顔に張り付き、顔面をイケメンに変えてくれる。
勿論このガムにも問題があった。
一つ。ガムが顔に張り付くと呼吸が出来ない。口や鼻に穴をあけると途端にイケメンフェイスは萎んでしまう。
二つ。鼻呼吸すると『イケメンなのに鼻提灯』という、とんだ間抜けな顔になる。口呼吸だとたらこ唇だ。
却下。

僕は今日も鼻提灯を膨らませながら開発に勤しむ。