課長の秘密
8
8
最近、やけに課長の機嫌がいい。
ある日、一緒に残業をすることになった。そっと聞いてみる。
「課長、何かあったんですか?」
「ちょっとな」
何だか怪しい。
「もったいぶらずに教えてくださいよ」
「……分かった。今度連れていってやる」
「誰にも言うなよ」
金曜の夜、課長と会社を出た。
電車に乗り、郊外の駅で降りる。
マンションの一室にたどり着いた。
課長が慣れた手つきで、暗証番号を押す。
ドアが内側から開く。
「ようこそ」
男性が出迎えてくれた。
どこか見覚えのある部屋だった。そう、コンサートの楽屋だ。
クローゼットには、白いタンクトップとパンツ。机にはヒゲと胸毛が置いてある。
「どうぞ、身につけてください」
そしてもちろん、ステージは……。
1985年7月13日、ウェンブリー・スタジアム。
「ライヴ・エイドです!」
ここでは誰でも、フレディ・マーキュリーになれる。
ある日、一緒に残業をすることになった。そっと聞いてみる。
「課長、何かあったんですか?」
「ちょっとな」
何だか怪しい。
「もったいぶらずに教えてくださいよ」
「……分かった。今度連れていってやる」
「誰にも言うなよ」
金曜の夜、課長と会社を出た。
電車に乗り、郊外の駅で降りる。
マンションの一室にたどり着いた。
課長が慣れた手つきで、暗証番号を押す。
ドアが内側から開く。
「ようこそ」
男性が出迎えてくれた。
どこか見覚えのある部屋だった。そう、コンサートの楽屋だ。
クローゼットには、白いタンクトップとパンツ。机にはヒゲと胸毛が置いてある。
「どうぞ、身につけてください」
そしてもちろん、ステージは……。
1985年7月13日、ウェンブリー・スタジアム。
「ライヴ・エイドです!」
ここでは誰でも、フレディ・マーキュリーになれる。
その他
公開:19/04/14 18:01
更新:19/04/15 10:33
更新:19/04/15 10:33
おじさん祭り
「ボヘミアン・ラプソディ」
短い物書き。
皆さんの「面白かったよ!」が何よりも励みになります。誰かの心に届く作品を書いていきたいです。
54字の物語・更新情報はTwitterでチェック! ぜひ遊びに来てください。
https://twitter.com/leyenda_rosa
ログインするとコメントを投稿できます