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僕は電池を探す旅に出た。
そう、この世界はみんな電池で動いていたのだ。
うちの家族も、動物たちも、あらゆる植物も動きを止めてしまった。
天体の回転も今にも止まろうとしている。
僕は自分で発明した、手回しと風力と太陽光発電を組み合わせた充電器で自分を充電しながら旅を続けた。
幸い太陽はまだ空高く昇ったままそこに止まっている。
風もわずかに吹いている。

この世界を動かしている電池はただ一つの巨大な電池だという。
その電池が放電してしまえばこの世界は終わる。
いや駄目だ。
そんな事でこの素敵な世界が終わるなんて許せない。
旅を続けながら僕は、より大きな電池も充電できるよう充電器を改良した。

砂漠を一人で渡り始めてどれぐらい歩いただろうか。
巨大な電池が力なく横たわっているのが見えてきた。
さあこれからが一仕事だ。
そこに、僕を充電している複合型充電器を巨大にしたものを備え付ける準備を始めた。
ファンタジー
公開:19/04/16 11:53
更新:21/05/16 23:06

家韮真実(いえにら・まみ)( 兵庫県 )

もともとは漫画を描いていました。
漫画のアイデアを文字で書いているうちにショートショートも書くようになったんですよね。
名前はもちろんペンネーム。
実際にはない名字を考えました。
読みは、男の子気分の時は『いえにら・まさみ』
女の子気分の時は『いえにら・まみ』に変わります(笑)

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