8
11

金曜日の朝、私の念願は叶っていた。
起きたら猫のしっぽがお尻に生えていたのだ。
私はこれを得ることをずっと大望していたので、もうカーテンレールに飛び移りたいほど歓喜した。しみじみ撫でていたかったが今日は平日。朝食を軽く済ませ急いで支度をし、いつもの電車に乗った。
スカートにもコートにも程よい大きさの穴を開けしっぽはそこから出した。ふふ、やはり皆がこちらに注目している。「あれ良くできてるねー」「どこで買ったんだろ?」

会社に到着し制服に着替えたが、これに穴を開けるわけにはいかないので、仕方なくしっぽは丸めスカートの中に隠した。
そんな日に限って私は大切な書類をうっかりゴミ箱に廃棄してしまったので、夕方焦心でビルのゴミ集積所を探すことに。
這って探し回る私を同僚は「猫みたいね」と笑ったが、これでまた猫に近づけたのかと喜悦の色を浮かべた私は、無事に書類が見つかると、ジャンプしてにゃうと鳴いた。
ファンタジー
公開:19/04/13 08:00
更新:19/06/13 23:05
私にも本当に猫のしっぽが 生えて欲しいとずいぶん前から 思っています。 柴犬のしっぽも好き♡

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容