喫茶店
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八月の終わりになると、夏本番の時、煩く一斉に鳴いていた蟬達の声は静まりかえっていく。
海は、賑わう人達を眺めながら、緩やかな波を打ち、秋に向けて準備を進めていた。
浩一は、近所の喫茶店にふらりと立ち寄り、コーヒーを啜り、本を読んでいた。
すると、カウンター越しから、喫茶店で働いているマスターの娘が声をかけてきた。
「浩一さんはこの夏、どこかお出かけになられたんですか?」
「いいや、全く。どうも夏は苦手で、旅行するって気分じゃないんだよ」
「へえー、やっぱり浩一さんは少し変わっていますね」
髪の後ろを結わいたマスターの娘は、心の中で一人頷いた。
「ところで、美樹ちゃんはどこかに出掛けたの?」
「うん。友達と一緒にディズニーランド」
嬉しそうに返事をする。
「夏の思い出作りは人それぞれだね」
浩一は、椅子にのけぞり、再び、本を深く読み始めた。
海は、賑わう人達を眺めながら、緩やかな波を打ち、秋に向けて準備を進めていた。
浩一は、近所の喫茶店にふらりと立ち寄り、コーヒーを啜り、本を読んでいた。
すると、カウンター越しから、喫茶店で働いているマスターの娘が声をかけてきた。
「浩一さんはこの夏、どこかお出かけになられたんですか?」
「いいや、全く。どうも夏は苦手で、旅行するって気分じゃないんだよ」
「へえー、やっぱり浩一さんは少し変わっていますね」
髪の後ろを結わいたマスターの娘は、心の中で一人頷いた。
「ところで、美樹ちゃんはどこかに出掛けたの?」
「うん。友達と一緒にディズニーランド」
嬉しそうに返事をする。
「夏の思い出作りは人それぞれだね」
浩一は、椅子にのけぞり、再び、本を深く読み始めた。
その他
公開:19/04/13 21:00
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