令会話教室

今年、令和生まれの若者が入社してくれたのは嬉しいが昭和生まれの儂にはそんな若者と何を話せばいいか分からん…
今日も若者とコミュニケーションを図る方法を考えながら歩いているとおかしなものが目に入った。
『令和の生まれの若者と会話したい方。当・令会話教室へご相談ください。今なら初回授業料無料！』
儂の足は自然と教室の扉へと向かっていた。中を覗いてみると私と同年代であろう年配者が大勢いた。物は試しだ。私も受けてみよう。
「皆さん、令和生まれの若者だって、貴方達と会話したいのです。恐れず、若者のトレンドを学習して話しかけてみましょう」
儂は授業で令和の若者について学んだ。成程、実に有意義な時間だった。

授業を終え、外に出ると隣の建物から令和生まれの部下が出てきた。
「山田君！」「高橋部長！」
隣の建物には『昭会話教室』と書かれてあった。
山田君は儂に頭を下げると、隣の『平会話教室』へと向かった。