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最寄りの駅に到着し、私は座席から勢いをつけて立ち上がる。酔いは醒めた。これなら歩いて帰れる。電車を降りようとした時、肩を叩かれた。
「忘れ物ですよ」
帽子を深く被った男だった。男の掌には見た事もない真っ赤なネジが乗っていた。
「私のじゃありません」
「あなたのですよ」
ドアが閉まるアナウンスが響き、私は慌てて電車を降りた。
「そんなのいりません」
「では私が頂きます」
ドアが閉まる。走り出す電車の窓から男の不気味な笑顔が見えた。
翌日、私は仕事でミスが続いた。何をやっても失敗続きだった。
「頭のネジが外れてるんじゃないのか!」
上司から説教されて、私はあのネジの事を思い出した。私は必死であの帽子の男を探し、同じ時刻の電車に乗って、ようやく見つける事が出来た。
「ネジを返して下さい」
「今更言われてもね」
男が困った顔で帽子を取ると、頭に沢山のネジが埋まっていた。
「どれだか覚えてます?」
「忘れ物ですよ」
帽子を深く被った男だった。男の掌には見た事もない真っ赤なネジが乗っていた。
「私のじゃありません」
「あなたのですよ」
ドアが閉まるアナウンスが響き、私は慌てて電車を降りた。
「そんなのいりません」
「では私が頂きます」
ドアが閉まる。走り出す電車の窓から男の不気味な笑顔が見えた。
翌日、私は仕事でミスが続いた。何をやっても失敗続きだった。
「頭のネジが外れてるんじゃないのか!」
上司から説教されて、私はあのネジの事を思い出した。私は必死であの帽子の男を探し、同じ時刻の電車に乗って、ようやく見つける事が出来た。
「ネジを返して下さい」
「今更言われてもね」
男が困った顔で帽子を取ると、頭に沢山のネジが埋まっていた。
「どれだか覚えてます?」
ファンタジー
公開:19/04/12 12:00
更新:19/04/11 22:16
更新:19/04/11 22:16
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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