おじさんと桜
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どうも、この季節は好きじゃない。
「いらっしゃい!」
行きつけの居酒屋で、威勢のいい大将の声に迎えられた。
スーツが似合っていない新入社員の団体に、大学生のサークル。席は空いているが、俺の居場所はなさそうだ。
「ごめん、また来るから」
そう言い残して店を出る。
コンビニでチューハイと柿ピーを買う。近くの公園のベンチで、散りかけの桜に向かって乾杯した。
「俺もお前も、ピークは過ぎたかもしれないけど」
桜にしてみれば迷惑な話かもしれない。俺と一緒にされるなんて。
周りが浮かれているこの時期、何も変わらないのは悪いことなのか。
真面目にやってきたつもりだが、今では「ダサい」と言われるんだろうな。
俺は立ち上がって、桜に手を振った。
「また会いに来るよ」
春の夜は意外に冷える。
強い風が吹いて、思わずコートの襟を立てた。
見ると桜も、こちらに手を振っていた。
「いらっしゃい!」
行きつけの居酒屋で、威勢のいい大将の声に迎えられた。
スーツが似合っていない新入社員の団体に、大学生のサークル。席は空いているが、俺の居場所はなさそうだ。
「ごめん、また来るから」
そう言い残して店を出る。
コンビニでチューハイと柿ピーを買う。近くの公園のベンチで、散りかけの桜に向かって乾杯した。
「俺もお前も、ピークは過ぎたかもしれないけど」
桜にしてみれば迷惑な話かもしれない。俺と一緒にされるなんて。
周りが浮かれているこの時期、何も変わらないのは悪いことなのか。
真面目にやってきたつもりだが、今では「ダサい」と言われるんだろうな。
俺は立ち上がって、桜に手を振った。
「また会いに来るよ」
春の夜は意外に冷える。
強い風が吹いて、思わずコートの襟を立てた。
見ると桜も、こちらに手を振っていた。
その他
公開:19/04/11 11:30
更新:19/04/11 11:48
更新:19/04/11 11:48
おじさん祭り
桜
短い物書き。
皆さんの「面白かったよ!」が何よりも励みになります。誰かの心に届く作品を書いていきたいです。
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