タイムマシンは突然に

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男と女の交渉の最中、部屋が不思議な光と音に包まれた。
「なんだ一体?」
「私じゃないわ」
「分かってるよ」
気づけば、グレーの球体が宙に浮かんでいる。そこからタラップのようなものが伸びて、小さな男の子が降りてきた。
「驚かせてすみません。子作りはあとでしっかり励んでください。でないと、僕が生まれなくなってしまう」
少年の言葉を信じれば、彼は俺たちの遠い遠い子孫らしい。我々の子孫がタイムマシンを発明するとは感激だ。
少年は学校の自由研究で先祖の好物を尋ね回っているという。ご苦労なことだ。
俺はテーブルに残っていたチーズを齧った。
「俺はチーズが好きだ。彼女もな」
「そうですか」
少年はなぜかがっかりしたように言うと、感謝を告げ、すぐに球体と共に消えた。
「なんだ? やけにそっけないな」
「別にいいじゃない。早く続きをしましょ」
彼女はセクシーな鳴き声で俺を誘惑してきた。
チュウ、チュウ、と。
SF
公開:19/04/12 03:47

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