第三回拉致監禁文学賞の結果と総評

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 応募総数十三件中大賞該当なし。という低調な結果に終わったことは残念だ。
 皆様が、この滅多にない状況と真摯に向き合ってくれさえすれば、そこに「文学」が発生すると、我々は信じている。
 以下に佳作三点の短評を掲載する。
 38歳主婦の「家族愛」の描写は琴線に触れた上、拉致時の記憶や、その後の観察眼も傑出していた。あと一歩だ。26才設計技師の「密室トリック」路線は、斬新であったが、脱出手段が説得力を持たなかった。また、18歳無職の「感情の暴力」ともいえる文体の採用は一応の効果を上げていたが、最終的に、社会が悪いのか拉致犯人が悪いのかが不分明となってしまった。
 第四回は近日開催予定だ。
 参加資格は、我々に拉致監禁された者。応募要綱は、部屋にある筆記具と原稿用紙を用いた、400字以内の「助け」をテーマとした作品。締め切りは拉致から1週間。大賞一名の作品は、そのまま最寄の警察へ届ける。以上だ。
その他
公開:19/04/10 15:28
更新:19/04/10 15:54

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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