また逢う日まで

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卒業式
明日から皆が散り散りになるのが不思議だ。
もうセーラー服なんて着ることないんだな、この道もこの駅も使わないんだろうな。
「よ!相田」
「なんだ。加藤も1人か」
加藤と私は変わり者だ。進学校を卒業して、私は義肢装具、加藤は料理の専門学校に行く。
「じゃあな」
「あいよ。バイバイ」
改札でいつも通り別れてしまった。

エスカレーターを降りる。私の気持ちも降りてくる。
(いいの?このまま別れて?加藤に)
ダメ!

私は人を掻き分け、下に猛スピードで降りる。
そして、猛スピードで反対のエスカレーターを登った!
いた!
加藤は電車に乗り込むところだ。

「加藤ー!頑張って!」

私は大きな声で叫んだ。
加藤は笑って、手を振ってくれた。


それから
私は自分の道を歩み、
たまたま見た雑誌で懐かしい姿を見かけた。昔よりふっくらした加藤が笑ってる写真を。
今日、加藤シェフの店に旦那と一緒に行く。
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公開:19/04/07 23:10
更新:19/04/07 23:10
卒業式 時の流れ 青春の思い出

さささ ゆゆ( 東京 )

最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。

「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。

なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。

でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。


Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2





 

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