207. 俺の可愛い人面瘡

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金曜日の朝急いでいてテーブルで左膝を強打した。その夜風呂に浸かっているとそこが青紫になっていることに気がついた俺は、風呂上がりにペンで少し顔を歪めた女の子の顔を描いてみた。なかなか可愛く描けたので満足し就寝したのだが、翌朝膝に違和感を感じ目を覚ますとその子がむにむにと口を動かしていた。
『ご主人様おはようございます!』
「!?」
『痛みは大丈夫ですか?普通の人は青あざを見ると顔をしかめるのにご主人様は違った。こうして私を描いてくれて嬉しい』
明朗に話しかけてくるので俺はこの子と外へ散歩に行きたくなった。
早速デニムに履き替えたのだが、人面瘡が苦しがるといけないので膝の部分に穴を開けた。
少し不格好になったが彼女との散歩は撫子色に満ちていた。
しかしその夜上機嫌で身体を洗ってしまい、そのせいで薄くなってしまった彼女に急いで話しかけたのだが、もう二度と応答は無かった。
その他
公開:19/04/09 11:00
更新:21/10/31 00:40

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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