それはつまり

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相対する気持ちを抱いて、君に向かい指先を伸ばす。

恍惚とした表情で君は僕を見つめ、嘘か真か判らないような幸福を囁く。

赦したい、でも赦せない。

春というたまゆらの季節に溶けていく君を、僕は手放したくて手放し難いと思ってしまう。

足下の水溜りに君の涙が音を立て落ちる。

それはつまり罪だった。
恋愛
公開:19/04/09 08:57

きざはしと同一人物。
140字小説を書きます。

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